ヒューマニズムとエコロジー
このエントリで、ヒューマニズムとエコロジーの対立という論点から宮崎駿映画を見ているんだけれども、なんとなくホワイトバンドの事件を思い出した。
2年ほど前に大流行したホワイトバンド。既に展開自体は終了しているのだけれども、街中に白いシリコンバンドをした人が溢れかえった。ほっとけない世界のまずしさというものはまさにヒューマニズムの現われだと言える。この時に状況をよく理解しておらず、なんとなくのブームでそのヒューマニズムに共鳴してしまって動いていた人も多いだろう。自分もそんな中のひとりだったし(U2のボノの写真を見て、なんとなくつけていた。)
ただ、もし世界から貧困がなくなるとすると、その先にはエコロジーの破壊が待っているのは間違いない。全ての人間に十分やインフラや食料供給が行けばそれだけの資源を使わなければ維持することができないことは考えなくてもわかる。ほっとけない、世界のまずしさによってエコの視点はほっといていいのだろうか?そういうことはないかもしれないが、この活動には、こうした視点が欠けていて「貧困をなくす」という共鳴のみで動いてしまう可能性が高い。
もののけ姫とナウシカの問いのエントリにおいて、アカデミー賞を取った記者の質問が面白かったという文で、アメリカ人が物事を善悪でしか捕らえないという観点は納得が行く。大統領が他国を悪と言い切る国だもの。こうした中で、ヒューマニズムの観点からいけばエコロジーはまだ軽視されている。これは環境問題への取り組みは自国の利益を損なう可能性があるのに対して、ヒューマニズムに突き動かされた活動は、余力で行えば自己満足な正義感を満たすことができるから。
どちらも疎かにしてはいけないんだろうけど、ホワイトバンドの時のような何か見えない力によって短期的に極端な思考に共鳴するのではなく、もっと将来を考えてバランスを取りながら両者を満たす方法を探らないといけないんだろうな。飢餓で子供を死ぬのも見たくないし、地球が壊れていくのも見たくない。ヒューマニズムとエコロジーの対立ではなく、両立を常に考えないといけない。
アメリカ人の絶対的正義への固執を見て、24が人気ある理由のひとつがわかったような気がした。ジャック・バウアーってアメリカ人そのものなんだね・・・。
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