もうちょっとがんばれ、業界の雄(笑)

業界の雄(笑)が明かす、モバイルコマースの現状と成功のための施策 CNET Japan
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20363130,00.htm

業界の雄、ですかw。モバイルのimode公式コンテンツで各カテゴリの首位にすら立ったことのない2サイトの代表者が語ってる。特にSHOPPING.JPというサイトは、自分が昔見ていたサイトの取引先が模倣して始めたところなので、どんな話がでるのかちょっと興味。

そういう訳でまとめてみた。

1.顧客へのアプローチの違いがある。
  Amazonは検索などを活用した「Pull型」
  SHOPPING.JPはメールを活用した「Push型」

2.Amazonは他国に先んじて、検索やアフィリエイトなどのケータイ向けサービスを導入している。

3.Amazonの顧客は、PCに比べて若年層が多く、女性比率が高い。購入単価と頻度も高い。

4.SHOPPING.JPはF1層(20〜35歳)が中心で、ファッションとビューティのカテゴリが売れている。

5.モバイルSEOは効果が出るのにもうちょっとかかる。

6.モバイル独自の集客手法
  (1)キャリアとのキャンペーンタイアップ
  (2)アフィリエイト
  (3)SEOSEM

7.Push型通販は初動を読んで在庫の対応をすることが必要。商品の入替えを1週間程度で行うことが大切。

以上。


・・・学ぶことがない。。。こんなの施策じゃなくて、最低限やらないといけないことばかり。さらに、現場を把握していないんだろう、いくつか傾向として間違っているか、勘違いする内容があったので正しておく。

・SHOPPING.JPに限らず、多くのモバイル通販の上位企業は受注発注の形で商品を展開する。このフロー自体は前職のパクリ。実際には「Push型通販しかできない」というのが正解。

・モバイルはそのインターフェースの制限の関係上Push型通販に適しているので、規模感がどうであろうと現状ではPush型の方が有利。

・Push 型通販の場合、MDやマーケティングがモノをいうのだが、その点においての記述がないところを見ると議題に含まれていないか、重視していないか、ノウハウがあまりない可能性が高い。まあ、それはサイトの商品ラインアップを見ても丸わかり。これについての記述がない段階で、このエントリの価値はすっごい下がる。

・1週間程度の入れ替え、ではない。死に筋の商品をすぐ下げて、新しい売れ筋を常に観やすいところに表示をする展開する必要がある。これは期間によって決めるのではなく、機会損失のルールが決めること。そこそこのサイトの場合、1週間程度での入替えでは遅すぎるぐらい。どちらかというと、メール配信からの受注推移を見て展開を変える必要の方が重要。ここで1週間と言っているのも、前職のフローをパクったものをそのまま伝えているだけ。

Amazonの場合はこれまでのモバイル通販の狙うところが違うので、SNS的な要素を加えた方がうまくいく可能性が高い。


SHOPPING.JPが唯一マシなことを言っているのが、初動の読みを重視しているところ。でも、これはまだ甘くて、予想を立てた上での初動の読みを重視することが大事。また、Amazonに対して機会損失についての具体的な言及がないのもダメ。

全般的に、システムや仕組みの話が多いのだけれども、商品自体についての言及がほとんどない。ネット専業通販会社にありがちなんだけど。まあ、Amazon は在庫を抱えMDをしないという現状の他社とは違うスタイルを持っているから問題ないけど、SHOPPING.JPは5年前から言われていることにSEOアフィリエイトなどの流行の言葉を足しただけでオリジナリティもない。逆に言えば王道なのだが。

まあ、でも「どうやって売るか」という方法論よりも「何をどうやって売るか」の方が大事なんですよ。